稲田教授が糖尿病治療の根幹をなす膵β細胞の再生機構に関する研究を長年にわたり推進
奈良女子大学研究院生活環境科学系・食物栄養学領域の稲田明理教授が、糖尿病医療の進展に寄与する研究成果により、2024年度日本糖尿病学会「女性研究者賞」を受賞されました(※1)。それを受け、メディカル・ジャーナル社の医療従事者向け糖尿病専門情報紙DITN(※2)第508号(2025年9月発行)に対談記事が掲載されました。
▶▶▶掲載箇所はこちら (※全文は来年度以降に掲載されます。)

稲田教授は、糖尿病治療の根幹をなす膵β細胞の再生機構に関する研究を長年にわたり推進。マウスを用いた研究で、膵β細胞の幹細胞が膵管上皮細胞から生成されることを世界で初めて明らかにし、生後にも膵β細胞が新たに分化することを実証しました。この成果は、糖尿病の根本的治療につながる再生医療研究に大きな道を開くものとして注目されています。
また、β細胞においてインスリンの産生を抑制する転写因子の働きや、そのバランスの崩れが糖尿病発症に関わるメカニズムを解明するなど、分子レベルでの研究も進展。体内でのβ細胞の増殖や機能回復を目指した基礎医学研究を続けています。
長年の研究の中で稲田教授は、「自然の仕組みを解き明かす研究は容易ではないが、『どうか真実を見せてください』という気持ちで続けてきた」と語っています。また、後進の女性研究者に向けて「困難に立ち向かう強さと継続的な努力、そして周囲への感謝が大切」とメッセージを寄せました。
(※1)日本糖尿病学会は、会員数1万7100人に対して、学会賞はハーゲドーン賞/リリー賞/女性研究者賞の3つのみ(受賞者は毎年各1人)。
(※2)1977年に創刊され、今年48年目を迎える糖尿病に携わる全医療関係者向けの季刊紙で、2025年9月号時点で第508号を数え、発行部数は14,500部。全国約9,800件の糖尿病関連医療施設・クリニック・研究機関に配布されています。

