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第19回女性史学賞授与式を実施しました(1月11日)

 奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センターは、歴史家で文化勲章受章者の故脇田晴子氏の提唱により2005年に創設された「女性史学賞」の運営を引き継ぎ、1月11日、本学としては8年目となる女性史学賞授賞式を行いました。「女性史学賞」は、ジェンダー視点をもつ優れた単著に与えられる賞で、通算第19回目となる今回は、田村美由紀氏(神戸女学院大学 文学部総合文化学科 専任講師)の『口述筆記する文学 書くことの代行とジェンダー』(名古屋大学出版会)が受賞作に選ばれました。
 当日は、選考委員、大学教員、学生など多くの来場者があり、冒頭、高田将志学長からの挨拶の後、女性史学賞授賞式並びに選考委員の成田龍一氏(日本女子大学名誉教授)による選評が行われました。
 次いで、田村氏による受賞講演が行われ、同書は文学の領域で見られる「口述筆記」に焦点を当て、書く行為が代行されることとジェンダー・ポリティクスとの関係を考察したものであること、また、「口述筆記」という行為が近年のジェンダー研究において重視される「ケア」のテーマと深くつながることについて、その構想の発端や研究の過程なども含めて語られました。続いて、田村氏の大学院生時代の指導教員である坪井秀人氏(早稲田大学 文学学術院 教授)から、受賞作に対するコメントのほか、田村氏の大学院生時代のエピソードや今後の研究への期待などが述べられました。その後、会場内の参加者との間で活発な意見交換が行われ、盛会のうちに閉幕しました。
 「女性史学賞」は、創設者である脇田氏の遺族から本学への寄附金が原資となっていますが、2022年度には女性問題図書総目録刊行会からの寄附も受け入れ、同賞の運営に活用されています。

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高岡尚子センター長(左)から第19回女性史学賞を受ける田村美由紀氏(右)
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会場からの質問に答える田村美由紀氏
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意見交換の様子

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